私のコラムを読まれたドクターから、親子継承を想定し、築30数年の有床耳鼻咽喉科医院(サージクリニック)にエレベーターを設置することを前提に全面リノベーションをしたいというメールをいただきました。

内部のレイアウトはエレベーター設置に伴い大きく変更することになり、スケルトンにしたうえ設備更新も含め再構成することになりました。
なお耐震診断もなされ問題はありませんでした。

004 1階 待合い 北側より-640

レイアウト・デザイン

1階は待合室、受付、診察室、レントゲン室、聴覚検査室、点滴室等で構成されます。

受付カウンターはカーブラインを使い、待合・エントランス・EV乗場が視認しやすいよう配置しました。
天板を白い人工石、腰面を濃い木目で構成した受付カウンターは待合室のシンボルとして落ち着いた雰囲気を作っています。

待合の床、天井にもカーブラインをあしらい、空間に変化とリズムを与えています。
待合のソファーはオレンジ色のアクセントカラーを配し、患者さんにやさしくソフトなイメージを印象付けています。

診察室の中は1診、2診、処置コーナーで形成されます。
診察ブースは濃い木目のフレームとスリガラスを組合せたパーティションで仕切っています。
木目とスリガラスの組み合わせが落ち着いた雰囲気を作り、空間に広がりと変化を感じる構成としました。

中待合は診察ブースの前になりますが、ガラスのパーティションを使うことで圧迫感のないソフトな雰囲気となりました。

聴覚検査室はユニットタイプではなく現場施工で行うフリープランタイプの仕様としました。

2階は病床、手術室、ナースステーション等の構成としています。

 

ナースステーションは透明ガラスを配し、EV乗場・談話コーナー・階段が視認しやすいよう配置しました。
カーブラインを取り入れ、クロスの配色も変え患者さんにわかりやすいように構成しています。

病室の1部屋はキッズルームとしても利用できるように対応しました。

3階は病床、厨房、浴室等の構成としています。

病室は今回のリノベーションで相部屋をなくし、すべて個室としました。
内装の仕様で2階と3階の病室の雰囲気を少し変えましたが、どちらも木目をいかしたプティホテル的なインテリアとし、扉も木目を採用しています。

027 3階 病室303-640

028 3階 病室305(特別個室)-640

 

バリアフリーへの対応

まず念願のエレベーターを設置することで患者さんの上下移動を容易にしました。

以前はアプローチのスロープが急だったため、駐車場レイアウトを変えて基準勾配のスロープを設け、受付までの誘導ブロックを設置しています。

患者さん用のトイレは寸法に余裕を持たせ、手すり・ベビーチェアー・ベビーシートを設けました。
リフォームではありますが、可能な限りバリアフリーに対応させました。

外壁まわり

外壁は調査を行い修繕補修を行いました。タイル面の欠陥部は同色同形状のタイル張替を行っています。

正面の一部に縦ルーバーを設け、外観に変化をつけました。

エレベーター設置に関して

既存医院にエレベーターを設置することはドクターの強い要望でした。
既存医院の建築確認申請、検査済証がきっちり保管されており、以前堀口整形外科で設置した私の経験もいかせ、今回は役所との協議もスムーズに行えました。

具体的にはまずどこにエレベーターを配置するかという検討を行いました。
まず屋外は動線やスペースの問題で難しく、中庭も構造的に困難であることが分かりました。

建物内の構造体(柱・梁・基礎等)と干渉しない位置で動線的な問題の少ない場所に配置させました。
既存建物基礎の位置が高めであったためEVピットの高さが限定され、浅型のEVピット仕様を有するメーカー(1社のみ)のエレベーターを採用することとなりました。

建物内にエレベーターを設けたため建築基準法上は床面積が増えず、また用途変更もないため新たに建築確認申請を出す必要はなく、エレベーター確認申請だけ提出することとなりました。
手続的にも複雑にならず対応できました。


大櫛耳鼻咽喉科 はな・みみサージクリニック
徳島県徳島市寺島本町東2丁目
http://ogushi-jibika.com/
耳鼻咽喉科医院
床面積 約573㎡
改装工事
2016年1月完成


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  • 科目: 耳鼻咽喉科医院(有床診療所)
  • 工事種別: 改装工事 約573㎡
  • 完成: 2016年1月完成
  • HP: http://ogushi-jibika.com/